地域の旨味を引き出し、まとめる “お出汁センセイ” (津野町)

  • 2019年10月25日

小笠原知美さん

高知県出身。2018年4月、津野町の地域おこし協力隊に着任。

白石地区の集落活動センターしらいしを拠点に、様々なイベントの企画・運営に従事。週に一度の「やすみじかんの日」では、コーヒーやかき氷を提供し地域の憩いの場をつくっている。

ミッション

  • 白石地区の集落活動センターしらいしを中心とした集落活動

ざっくりいうと…

  • 学生時代からのご縁をつなぎ、念願の地域づくりを仕事に。協力隊だからこそ見えてきたものとは……。
  • 戸惑いと楽しみはどっちが多い!? 協力隊の活動も、田舎での暮らしも初モノづくし。
  • 地域に可愛がられる“センセイ”は、地域と、自分の旨味と強みの発掘を目指す。

小笠原知美さんにインタビュー (津野町)

生まれ育ちも最初の就職も高知市で、大学時代から地域おこしに携わっておられたんですよね。

地域活性化に取り組むゼミと学生団体に所属し、香美市や佐川町などをフィールドに地域づくりを学んでいました。白石地区へは短い期間でしたが、ここ(取材場所:※集落活動センターとなった旧白石小学校)へピザ窯づくりのお手伝いをしに来ていたんです。

※集活動センター
住み慣れた地域への愛着と「これからもここに住み続けたい」という思いを持つ地域住民の方々が、旧小学校や集会所などを拠点に、それぞれの地域の困り事や、取り組んでみたいことにチャレンジする仕組み。

詳しくはこちら
⇒「えいとこうち」https://www.eitoko.jp/eimoneitoko/

そんな場所が今は集落活動センターになり、自分の職場になったなんてすごいご縁! 他の地域と比べ、津野町、白石地区の特長ってありますか?

地域のみなさんの、人と人との距離感が絶妙というか……よく、田舎は人の付き合いが密になりすぎて息苦しいとか、逆にヨソ者には厳しいとかいうイメージが持たれがちですが、津野の人は物腰も柔らかくてとても聞き上手。なのに、むやみに相手に立ち入り過ぎたりしないところが、絶妙だなと感じます。

人付き合いの密度、は多くの人が悩むところですよね。学生としてと協力隊員としてでは、地域で見えるものに違いってありますか?

うーん、学生はいくらフィードワークをするといっても、やっぱり基本的には「良いところ」しか見えていないんだなと。実際に地域に住んで、地域のイベントの企画をゼロから考え、人を集め、運営して、となると実現のハードルになるものは案外たくさんありました。古くからの慣習とか、人と人との関係とか……集落担当の役場職員や先輩隊員、研修で知り合った別の自治体の協力隊の方々に、悩みを相談しながら活動に取り組んでいます。

悩みを共有できる相手って、とっても大事。ちなみに、何か困ったことはあります? 初めてのひとり暮らしですし。

最初はとにかく、新しい環境で常に緊張していたかなぁと……地域で何かするにしても、地域の方はどーんと構えているのに、自分はひとり「どうしよう!」とテンパってたり(笑) 生活面では、やっぱりちょっと買い物が不便なのと、夜は街灯もないし暗くて怖いな、とかでしょうか。地区のメインロードでサルを見かけますし、タヌキがこう……その、動いてない状態で……。

お察しします(泣) 休日はどんな風に過ごしてますか?

白石地区の方に借りた畑で始めた野菜作りはとても楽しいです! 近所のおんちゃんが、頼まずともどんどんお世話してくださって(笑)

模範的(?)な田舎暮らしだ!

おすそ分けもしょっちゅういただきますし、この間はどっさりトマトがとれたので、まとめてソースを作って冷凍して。自炊も楽しめるようになりました。あとは高知市に出て、美味しいお店を開拓したり、学生時代の友達と近況を報告し合ったり、というのも良いリフレッシュになっています。地域活性化に関する町外講座に参加して、学びながらソトとのつながりを作る機会も増えました。

おお、アクティブ! 時々、地域のソトに出るって自分のバランスを保つのに結構重要ですよね。

私はオン・オフが割とはっきりしていて、家ではダラ~っとしがちなんですけど……お隣のおばあちゃんが家の前の畑で毎朝早くからせっせと働いている姿をみると、「あ、やばい! 自分も何かしなきゃ」って思わされます(笑)

わかるなぁ、こっちのじいちゃん、ばあちゃんの元気さって桁外れですもん。ところで、お友達が考えてくれたという、ご自身のキャッチコピーが「お出汁」っていですね(笑)

お出汁って、料理の中でハッキリ見えないんですが、食材に色をつけてその一品をまとめますよね。私も、自分がどんどん主役として前に出ていくことはしないけど、料理の味を調えるように皆の調和を保つよねと言ってもらいました。ちなみに地域の方には、この「しらいし」が小学校の建物を使っていることもあって、「新しい先生が来たがや~!」って言われるんですけど(笑)

確かに、黒板をバックにしたこのインタビュー中も、小学校の先生っぽさありますね!(“お出汁センセイ”にしよう……とメモしつつ)では最後に、今後の展望を教えてください。

「しらいし」は、私が2018年4月に着任してすぐに開所式があって、その準備から関わっていることもあり、すごく思い入れがあります。最初は遠巻きに見ていた地域の方も、徐々に活用してくださるようになり、人の流れができてきたのが嬉しいですね。ただ、集落活動センターの資金は補助金が主で、稼ぐことができないままでは長い目での運営は厳しい。特産品を開発するなど、稼ぐ仕組みを作れたらいいなぁと思います。個人的にも、ここでの活動をベースに手に職をつけられるものを探して、卒業後に身を立てていけるようにしたいです。

カツオ並みにイイ味だして、白石を美味しい地域にしてくれることを期待しています!

<イチ押し!うちの地域自慢>

「風車」

小笠原さん:「風車の駅」がある津野町には、まちの色々なところから風車を見ることができます。ああ、今日も回ってるなぁ……と、ぼーっと眺めています(笑)ここに住むようになってから、毎日のお天気を気にかけるようになりました。
  立花:のほほんと、眺めている姿が目に浮かびますね!