和田也実さん
高知県出身。2020年2月、室戸市の地域おこし協力隊に着任。
020年2月にオープンしたグランピング施設「MUROTObase55」の運営補助のほか、市内の観光プラン・体験の周知・案内、SNSや各種ツールを通じた地域観光の情報発信に従事。
地域に埋もれた自然・食・人の魅力を体当たり取材するYouTubeチャンネルも人気。
なりチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCWlzXZmRnDAMdt4EbLyd60A
・室戸市指定管理「MUROTObase55」(グランピング施設)の運営
・他の市内観光施設との周遊を図るための活動
・デジタルサイネージ等を活用した情報発信
・元「図書館のお姉さん」の朗らかな笑顔の裏には、ゆるがない芯の強さが。秘密は「異色の経歴」にあった。
・“Uターン協力隊員“ならではの視点で、改めて掘り起こす地元の魅力。発信するのは、もちろん「メディア」でしょ!
・悩み過ぎずに、行動に移し続けることで、自分と室戸の未来を切り開く。いつか手に入れたいのは……。
― このインタビューでは、ご本人に「キャッチコピー」をつけていただくのが恒例なんですが、ご自分を一言で表すと?
周りからは「天真爛漫」とか「自由」とか言われることが多いんですけど…自分では全くそういう感覚はないです。むしろ、何かと先のことを考えすぎる、生真面目すぎるところがあるから、変えようとしているぐらいで。もちろん、協力隊の3年間はきっとあっという間ですし、将来を見据えてしっかり準備をしなければならないんですが。悩みすぎずに「今を生きる」が最近のモットーです。
― 確かに前職(高知県立図書館の事務)は、「グランピング」や「観光」といったミッションとはだいぶ路線が違いますよね。いわゆる「お堅め」の仕事というか。
関西の大学を卒業後、しばらく会社員をしていたんですが、激務で体を壊しちゃって。地元の室戸へ一度戻ってきたのち、今度はオーストラリアへ移住して……現地では、日本人が私だけのお寿司屋さんで働いていました。高知に帰ってきたのは昨年の夏で、図書館は臨時職員ですね。協力隊には、室戸で働いていた両親から話を聞いて応募しました。
― その「色々」っぷりは、どう見ても「天真爛漫」と「自由」では!? それに私、観ましたよ。YouTuberデビューして、過酷な山道登ったり、ご当地グルメを食い倒れたりする姿を。
地域の魅力発信・観光促進の取り組みの一環として、YouTubeで動画の配信を始めました(「なりチャンネル」)。最初は撮影も編集も全然ダメで、心が折れそうになっていたんですが……家族の励ましもあってどうにか配信にこぎつけたら、少しずつチャンネル登録者数も伸びてきて。次第に協力や応援をしてくれる人も増えてきたので、やりがいも出てきました! それに協力隊として働くまでは、積極的に「室戸を知ろう」と思ったことがなかったんですけど、取材を通してその魅力に気付けるようになったかなと。
— おお、“Uターン隊員”ならではの「地元再発見」、素敵ですね。 お休みの日も室戸で?
市内のスポーツジムにはほぼ毎週通っていて、子どもの頃から続けている地域の和太鼓チームの練習にも参加しています。最近は、茶道と、お寺の住職さんが教えてくれるそば打ち教室にも通い始めました。
— 「協力隊」のレンズを通してこそ見えてくる、新しい地元を大満喫してますね。卒業後のビジョンも、見えてきましたか?
実は、漆喰や水切り瓦を使った古い町並みの残る吉良川地区に、以前から「宿にしたい」と思っていた物件があるんです。いずれそこで起業できたらいいなと。観光に関する研修に参加しながら、オープニングにも立ち会った「MUROTObase55」では、ベッドメイクから食事の配膳、SNSやサイネージを使ったPRといった宿泊業の様々な仕事をしています。言葉の通じない海外で身に着けたコミュニケーション力だったり、協力隊と同じく「公」の仕事である図書館勤務の経験だったり、地域の方をはじめ人との話の引き出しに困らない経歴だったり……今も将来も、これまでの「色々」がちょっとずつ役に立つかなあと。
— ( あれ、「実は生真面目説」を認めざるをえなくなってきたな…)ところで、協力隊は自治体が用意してくれる物件に住むケースが多いですが、“Uターン隊員“はいかがでしょう。
私は今、実家暮らしです。同居の両親には、「あれ、今日歌ってないけど、何かあった!?」とたまに心配される感じですね。
— え、普通は「歌なんか歌って、どうしたの!?」では?
趣味なのか癖なのか、いつでも、どこでも歌っちゃう癖があるんです、私。特に“とにかく自由を手に入れたい!”っていう想いの詰まった「リトル・マーメイド」の曲は良いですよねえ。感情移入というか、もっと解き放たれたい、自分の殻を脱ぎ捨てたい、そんなヒロインのアリエルはまさに私と同じじゃないかと(都合により省略)
― 安心しました、ちゃんと「高知家でまちゆうき」インタビューらしさが出てきました(笑) では最後に、移住や協力隊に興味を持っている方に一言、お願いします。
人それぞれ色々な理由があるはずですが、移住を考えているなら、すぐに行動したら良いかなと私は思います。その時じゃないとできないこともたくさんあるし、行ってみて「やっぱりダメだ」というなら戻ることもできるので。
「芯の強い“はちきん”」
立花:高知ならではの「男勝りな女性」ですね。確かに、いい意味で肝が据わっている、はっきりした女の人が多い気がします。