齋藤光明さん
北海道出身。2018年4月、香南市の地域おこし協力隊に着任。
サイクリングイベントや自転車サークル「Maze-Cle」の活動を通じて、自然に恵まれた高知で自転車に乗る楽しさや健康寿命の向上といった魅力を発信中。
—自転車で日本を周っている時に香南市を気に入って、北海道から移住されたんですよね。
18歳から4年ほど勤めた自衛隊を辞めて、すぐに日本一周を始めました。四国はその時が初めてだったんですが、途中で訪れた香南のヒトの温かさや文化に惚れこんで。通算して一年半ぐらい、ここを拠点にしながら全国の地域をまわった感じです。
—すでにネタのニオイが強い経歴(笑) 滞在中、香南ではどのように過ごされていたんですか。
旅館に住み込んであれこれバイトしながら、地域の祭りや木工教室などを手伝うボランティアをやっていました。バイトの一つとしてケーキ屋で焼菓子作ってたんですけど、そこで知り合った彼女が今の嫁さんです。もともと沖縄の文化とか三線が好きだったので、移住先としては宮古島と迷ったんですけど……まぁ嫁さんを呼び寄せられるほどの力が僕にはなかったと(笑)
—出た、移住あるあるの展開! 沖縄と高知って、このゆるい空気感は確かに通ずるところがある気もしますね。お仕事としては昨年4月に協力隊として着任されたんですね。
平成30年度の市の施策に“サイクルツーリズムの振興“が掲げられたのがきっかけで、「自転車のミッションの募集が出たって! お前、自転車好きだろ?」と地域の方に声をかけてもらって。それまでも全国各地で土木工事の現場やら自動車工場やら、仕事はあれこれやってきてましたし、興味の幅も広いので大丈夫かなと応募しました。でも着任してみると、実際はなかなか……。
—活動で苦戦している点はどこですか。 本当は、職歴について全部ツッコみたいところなんですけど……(笑)
フリー、自由すぎるというのが一番難しいですね。観光振興といったところで明確なゴールはないし、「職人になる」「農家を継ぐ」といった協力隊のようにはやることがはっきりとは決まってない。しかも、車社会の高知では自転車に乗る文化がそもそも根付いてなくて……とりあえずできることからと思い、特産の山北みかん狩りや西川花公園とコラボしたイベントを開催したり、サイクリングチームを立ち上げて定期的に走行会やイベントとしてカフェ巡りをしたり。自転車乗り方講座を開いた時、初めてロードバイクに乗ったらハマって自分でも買っちゃった! なんて年配の方もいらっしゃいました。チームには香南市外から参加するメンバーも増えてきたので、ゆくゆくはNPO団体にして、香南市サイクリングターミナルの指定管理者を目指せたらと考えています。
—ミッションが自由すぎて悩む、というのも協力隊あるあるですが、発想力とそれをどんどん形にするパワーがすごいですね。プライベートでは困ったこと、ハプニングとかはありましたか?
この間、四方を田んぼに囲まれた我が家に夜中、ムカデが出現しまして……僕だけなら写真撮りまくってネタにするだけなんですが、嫁さんは刺されるし、いかんせん先日子どもが生まれたばかりだしで大騒ぎでした。ハサミで切っても動いてるんで、半分は今も畳のどこかに埋まってますよ。
—ひいい、これも田舎あるあるだけど寝込み襲われるのは無理!! ……さて、事前にお願いしていたキャッチコピーですが。
いやーこれ、他の人も絶対考えてないでしょ!? キャッチコピーとか、そもそも自分でつけるもんでもないと思うんですよ……(インタビューに同席した担当職員Tさんに向かって)ねぇ?
Tさん:ええ、俺にふるなよ(笑)
—(笑) 興味の幅が広い、多才、お祭り男……みたいなキーワードとか。
Tさん:暑さに弱い。北海道出身だから。
齋藤さん:たいして暑くない時期のイベントで、汗だくで倒れそうだったのはTさんのほうじゃないですか(笑)
—高知でサイクリングするっていうのに、大丈夫ですかそれ。
Tさん:真面目なところでは、とにかく行動力がすごいですね。あ、でも明らかにそれが鈍ったなという時は、100%腹減ってる(笑) 「とりあえず何か食ってこい!」って声かけます。
齋藤さん:確かに、お腹空くと即テンション下がって動けなくなるんすよ……って、これ、キャッチコピーになりますか?
—仲良いなあ。ちょっと要素が色々ありすぎるんで、宿題にさせてください(笑)
「(動詞)+そめちゅう」
意味:○○し慣れている。 ※主に「行く」のあとにつく
例:幡多で釣りしたいが? 行きそめちゅうき、案内しよか。
訳:幡多で釣りがしたいの? 行き慣れてるから、案内しようか。
Tさんコメント:バリバリの方言で話しかけられて、わからなくてもそれっぽく相づち打ってるよね。