神田英代さん
大阪府出身。2018年2月、室戸市の地域おこし協力隊に着任。
商店街の各店舗の方が講師となる「まちゼミ」の運営をはじめ、中心市街地のにぎわいづくりに奮闘中。
—いただいた名刺に、可愛い手描きのイラストが! フグを飼っているとうかがってますが。
はい、「テトラオドンミウルス」という淡水のフグで今が三代目、名前は「常盤(御前)」です。小さい頃、家の近くの水族館で、正面から泳いできたイシガキフグと目が合って、一目惚れ。フグにしては見た目が平たいねえ~と名付けたのが初代の「平(たいら)(清盛)」。二代目の「牛若」は、室戸まで連れてきたのに移動のストレスで死んでしまって………。
—テト、テトラ? とにかく愛がすごい……その名前だけ聞くと歴女(レキジョ)なのかと思いますが、フグ女(ジョ)(笑)愛が止まらなそうなので話を変えて…30歳までに独立しなさいとご両親に言われていたそうですね。
協力隊になる前までずっと実家にいたわけではなく、3年ほど淡路島で巫女さんをやっていて。神社にもよりますが、そこの場合は25歳で定年だったので、大阪に戻って海遊館で軽食販売の仕事をしていました。その職場で「君は絶対、高知好きだよ!行ってみなよ!」と謎のオススメをされたのが、高知に興味を持ったきっかけです。
—えええ!? 巫女さん!? だいぶ異色の経歴。でも、戻った大阪で高知のオススメをされるなんて、ちょっと「神のお告げ」感があるような…
大阪で移住セミナーに行ったんですが、最初は西のほうの海が気になっていたので、自治体ブースも県西部を見ていました。でもいつの間にか、スタッフの方にあちこち連れまわされて(笑)、気づいたら室戸のブースに。それから一人旅で訪れて、この土地の方の温かさがすごく印象的で移住を決めました。もちろん海も気に入ったので、最近はあるお寺の下の岩場に行って、何かおらんかな?とのぞきこむのが趣味のひとつになっています。
—海と人に引き寄せられるっていうのは高知っぽいですね。いざ移住してみて、やっちゃった!みたいなエピソードはありますか。
ええと、もう毎日のように(笑)とにかく方向音痴で道が覚えられなくて、迷ったり、車をぶつけたり……幸い大きな事故ではなかったんですけど。一番は、携帯が圏外の場所で方向を見失い、真っ青になりました。どうにか電波が入るところまで出て、知り合いに電話して「〇〇が見えます!どうすればいいですか!?」「それ、どこにでもあるやつだよ……でも、たぶん山の方!」とか、音声ガイドしてもらったりして……。
—わあ、同志!!! 私も車のトラブルばっかりだったので、その恐怖感わかります……でも、みんなすごく親切に助けてくれますよね。
本当に、生活のすべてを周りの方に助けてもらっているなと感じます。普通、仕事で車を使う時って若い方が運転することが多いと思いますが、私の場合は「公用車のハンドルはできるだけ握らせない」という暗黙のルールができているようで(笑)
—もうシンパシーしかないです。なかなか、おっちょこちょいのご自身に何かキャッチコピーをつけるとしたら?
それが自分で考えるのが難しくて……周りに聞いてみたら、「フグ好き」と「室戸の隠し子」というキーワードがでてきました。
—前者はともかく、「隠し子」って!? そのココロは?
地元の方と一緒に歩いていると、あちこちで「おまんのとこの隠し子かえ!?」「そんな年の子どもがおったが?」と言われてしまうんです(笑)背が低いせいか、実年齢よりずっと若く見られることは多いんですけど、なんだか室戸中に「お父さん」「お母さん」がたくさんいるような気分になってます。
—なるほど。確かにお人柄も、どうにも「娘」のように可愛がりたくなってしまう雰囲気ですもん。最後に今後の抱負をお願いします。
「商店街のにぎわいづくり」というミッションですが、何をすべきか、何ができるかが分からなくて。住民の方にアンケートをとるところから始めてまだまだ手探りの毎日ですが、室戸が大好きなのでずっといられるようにできたら、と思っています。
「〇〇く」
意味:〇〇の家
例:今晩の宿、まだ決めてないが? おらんくに来いや。
(訳)今晩の宿、まだ決めてないの? 私の家においでよ。
神田さんコメント:最初「中央区」などの”区”だと思ったので、頭の中で「おらん区」と変換。「室戸にも区があるんですね!」と言ったら話が食い違ってきて、ようやく本当の意味が判明しました(笑)
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Facebook: 室戸市地域おこし協力隊