長田圭司さん
大阪府出身。2019年1月、室戸市の地域おこし協力隊に着任。
室戸世界ジオパークセンターで、イベントの企画・広報に従事。地域住民に施設の周知・利用促進を図るほか、見学ツアーの企画など市外からの来場者増に向けた施策にも取り組む。
(*以下、ジオパークセンター)
― 何よりまずツッコミたい! 前職の「和太鼓講師」についてご説明を!
元々教職を目指していたのですが、採用が決まらなくて……サークル活動で始めた和太鼓を活かせる仕事はないかと見つけたのが、和太鼓をツールにした教育事業を行う会社だったんです。今も室戸のチームに所属して、休日はイベントなどで演奏しています。
― そんなニッチな仕事があるとは。地域おこし協力隊のことは、大学生の頃から知っておられたんですよね。
SNSの投稿で知り、興味を持っていました。前職は、趣味を仕事にできてとてもやりがいがあったのですが、若手が自分一人だったこともあってとにかく忙しくて。転職を考え始めた頃、協力隊の募集ページを見たら室戸の「ジオパーク」というワードがひっかかり、旅行で訪れたのが移住のきっかけです。
― 実際に来てみて、ココロをつかまれちゃったと。
山も星も綺麗で、特に果てしなく広がる太平洋の景色が素晴らしいなと。今も、ここ(ジオパークセンター2階)でボーっと海を眺めながら、お昼を食べる度に癒されています。正確には、ストレスが溜まる前に癒されているような。陽が落ちたら人がいなくなるような、自然に逆らわない、地球につながってるような感じがすごく好きです。都会と違ってせかせかしない文化や風習にも、「来て良かった」とつくづく思わされて。
— いかにも嬉しそうに話しますねえ! “自分につけるキャッチコピー“として、「いつも笑っている若い青年(地域の方談)」と書かれていますが、移住の前後で笑顔の頻度が全く違うのでは?
それはもう、大阪の友人や前職で一緒だった方みんなに「全然違うな」と言われますね(笑)協力隊の活動としては、ジオパークセンターで行うイベントを企画・告知したり、地域へ取材に行って広報記事を書いたりしていますが、主体的にのびのびやれている感覚があります。休みの日も充実させたいなと、地域の行事にも積極的に参加するようにしていて。そもそも若い人がいないこともあってか、盆踊りに出るだけでもすごく喜んでもらえるので、「何か所も回ったろか!」なんて。
— いいですねえ、ソトから来た若い子の笑顔を見るだけでも、地域の方は嬉しいはずですよ。こちらの暮らしで困ったこととかあります?
うーん、家はボロくて“オバケ屋敷“なんて言われますが、中は綺麗で住み心地も良いし、スーパーも車で5分くらいだし……あ、しいて言えば本格的なトレーニングルームが近場にないことですかね。転職活動中にアルバイトをしたジムで筋トレにはまって、トレーニングベンチは買っちゃいましたけど。
— 買ったんかい(笑) 食事はどうしてます?
基本、自炊です。魚はもちろん、ここは美味しいものがたくさんありますし。ただ最近はお酒もやめて、鶏むね肉なんかのダイエットメニューですが。
— やることがいちいち、ストイック! でも、困ったことがあっても、助けてくれる人はたくさんいそうですね。
大抵の悩みは自分の中で消化してしまいますが、地域の方に相談させてもらえるのでとても助かってますね。一番の悩みどころはやっぱり、この土地に残るためにどんな仕事ができるだろう?とか、教職を活かすのもいいけど任地は室戸に限らないし……とか、卒業後の働き方です。
― 協力隊の任期って本当にあっという間ですもんね、どんどん人に頼って良いと思います。でも、24歳で単身地域に入ったら、仕事より先に「嫁さん紹介しちゃる」と言われません……?
まだ紹介こそされていませんが、そういうお話はかなりあります(笑) 正直、着任した頃は「とにかく早く彼女作らなきゃヤバい!」という変な焦りがありました。大阪にいた頃は、周りもほとんど独身なので全く気にしていなかったのに、こちら来てみると同世代の女性はほとんど結婚して、子どももいたりして。
— わかります、都会と地方ではそのあたりの感覚が全然違いますよね。で、単身移住者がその後定住するかどうかって、パートナーがいるかどうかがカギになることも多かったり。
室戸ではもう、出会えないのでは!? とか思ったりしましたが、今はもう落ち着いたというか……まぁ引き続き募集中ということで、アンテナは張っておこう、ぐらいになりました。
— Uターン女子も狙いどころかもしれませんよ!? 活動もプライベートも、今後の活躍に期待しています!
「室戸のスイカ」
長田さん:水っぽいスイカが嫌いだったんですが、こっちで食べたものがすごく甘くて。あんまり美味しいから白いところまで食べたら、農家さんが喜んでくれたので調子に乗って、緑の部分までかじったらドン引きされてしまいました(笑) ジョークだったんですけど……すぐ吐き出しました。