松下昇平さん
大阪府出身。2017年4月、中土佐町の地域おこし協力隊に着任。
2019年9月より放送開始のFM高知『タンパク質王子のマンデーターキー!』にレギュラー出演予定
—お久しぶりです。私が四万十町の協力隊だった頃に何度かお会いしたことがありますが、前職は「トライアスロン選手」で合ってます……?
いや、プロじゃないですよ(笑) 確かに競技はずっとやっていましたが、体育大学を出てから東京でスポーツトレーナーやイベント企画をやり、その後出身の大阪府藤井寺市でスポーツ振興課の臨時職員として勤めていました。スポーツを盛り上げるためには、やっぱり行政から変えなアカンと思って。
—ええ!まさか公務員とは。あれ?でも、スポーツ行政と、今のミッションの「七面鳥」は一体どういった関わりが?
市役所に入った直後に正職員の採用条件が変更され、僕の年齢だとギリギリアウトになるとわかって。ここじゃやりたいことはできない、環境を変えないと、と思ったんです。そんな時、中土佐町のトライアスロン大会に出場した印象がとにかく良かったのをふと思い出し、とりあえず移住セミナーに足を運んで中土佐町ブースに行ったら、一気に七面鳥の話で盛り上がったんですよ。ちょうどこのミッションができたぐらいの頃で。
—七面鳥にそこまで食いつく人が来るとは、さすがに担当者さんも予想外だったのでは……(笑) 七面鳥って、日本だとクリスマスでも食べる人そんなに多くないですよね?
高校の3年間を過ごしていたアメリカで、ターキーのとりこになったんですよね。めちゃくちゃ高タンパク、しかもカロリーも脂質も低くて、話題のサラダチキンにも引けを取らないアスリートにピッタリの栄養食なんです。これは良い! と思ったのに、日本へ帰ると全然出回ってない。調べてみると今は全国でも数か所でしか生産されてなくて、中土佐のここ大野見地区はその一つだったんです。
—そおお一気にトークの熱量が上がってきた! 需要が高そうなのに、そんなにレアなんですね。それで今や、「七面鳥の人」として町内外の人から認識されていると(笑)
誰も僕のフルネームなんてわからんと思いますよ。「あ、七面鳥の!」って言われますし、なんならメールも「七面鳥の松下です」って送ります。あとは「タンパク質王子」とか……地域の学校で食育などの授業の講師をやらせてもらってるんですけど、2時間丸々タンパク質の話をしたら、ある子に「先生、僕タンパク質のことしか覚えとらんです」とか言われて(笑) 最近は県内外の人にも「七面鳥の松下」と呼ばれるようになりました。
—地域に愛されてる、というより、商材とご自身のPRという意味で努力の賜物ですよね。そんな人が、うっかり何かやらかしちゃった……とかあれば教えてください!
実は今のところ、これといって困ったことってないんですよ。前職の都合もあって、協力隊に着任する1年半ぐらい前から中土佐に通っていたこともあってか、いきなり地域に飛び込んだというわけでもないし……。土日は食のイベントに出店したり、町内外の学校で講師業やメディア出演をしたり、と休みなく動き回らせてもらってます。ですので自分でいうのもなんですが、有難いことに順調にいっているのかなと思ってます。
—七面鳥愛がすごすぎて、他に割く時間的な余裕がないと(笑) お仕事面でも、悩みとかはないですか。
あえていえば、おかげさまで外商やPR活動はどんどん増えているんですが、大野見七面鳥生産組合として専業で動けるのは実質、僕ひとりという状態なので、頑張れば頑張るほど出張も多くなり、どうしても大野見を離れる時間も長くなってしまって……。地元の方に「あいつ、最近何しよん」と思われないようにしなければとは感じています。七面鳥のためにと動いても、自分が地域に根差していなければ本末転倒かなと。
—なるほど。明らかに体がひとつじゃ足りない、松下2号、3号が欲しいところですね。
そうですね、このミッションに関わる協力隊員が増員されれば理想的ではあります。さらに僕としてはこの高知の自然と、カツオや生姜といったアスリートに適した食材を生かして、スポーツの面から地域を盛り上げていきたくて。例えば、「半農半アスリート」育成。スポーツ選手は大学やプロになるまで競技を続けたとしても、その後のキャリアが全く保障されていないという課題があるので、中土佐で七面鳥を育てて食べながら競技をする、シンボルアスリート的な存在を生み出せたらいいなと。すでに僕の母校の大学と中土佐町との連携協定も動き出してるんですよ。
—すごい!どんどん形にして、動いて、楽しそうにやっていて……まだまだネタがありそうですが、時間が足りなくなってきました。最後に、ご自身のキャッチコピーを……
あ、すんません、適当につけとってください(笑)
「なんちゃあ」
意味:大したことはない。どうってことはない。
例:「5分遅刻する、ごめんで!」 「なんちゃあ!」
訳:「5分遅刻する、ごめん!」「どうってことないから、大丈夫」
松下さんコメント:おおらかで、包み込むような感じがして心強く思いますよね。ちなみに僕はあえて土佐弁は使わないで、良い意味で「ソトモノ」としての役割を果たせるようにと考えています。