尾本彩さん
高知県出身。2018年12月、南国市の地域おこし協力隊に着任。
ごめん・よってこ広場を拠点に、デザイン・縫製を中心としたワークショップを開催する傍ら、2019年7月より隔月で市内外のハンドメイド作家が出展するマルシェイベントを開催中。
— 前住所は兵庫、ご出身は高知とのことですが、こちらへの移住に乗り気だったのはご主人のほうだったとか。
結婚を機に関西へ引っ越し10年ほど、時折こちらへ帰省する生活だったんですが、その度に高知の魅力に引き込まれていったみたいで……「移住したい!」と。主人はデザイン系の職、私はドッグウェアや洋服の縫製・販売をしていたんですけど、やはり地方の就職率などを考えるとそう簡単には賛成できなかったんですよ。が、「見に行くだけだから!」と連れていかれた大阪の移住フェアで、主人が県内にある店舗運営の仕事をポンポンと決めてしまい、もうこれは行くしかないという流れに……。
— 「ちょっと見に行く」のはずだったのに話が違うぞと(笑) 協力隊として南国市を選ばれたのは、ご実家があるから?
実は、主人の店がある自治体の選考も受けていたんですが、デザインやものづくりの経験と興味を生かしたい気持ちが強く、一次産業や観光のミッションがあまりピンと来ず……そんな時に南国市が、ものサポの建設をはじめ「ものづくり」を軸とするまちづくりの戦略を打ち出し、その活性化やPRをする協力隊を募集し始めて。これだ、と。
— 色んなご縁が重なって、結果的にUターンになってる。 協力隊としては、ここ(取材場所:ごめん・よってこ広場)でイベントをやられたばかりなんですよね?
写真の「ごめんteteマルシェ」と題したハンドメイドマーケットの初回を無事に終えました。実行委員会を立ち上げて5か月かけ準備、200人ほどのお客さんが来てくださり、出展してくれた作家さんたちの評判も上々でした。……とはいえ、企画・運営から自分のワークショップの準備、チラシやのぼり、HP制作といった作業を一手に引き受けたので、さすがに大変でしたけど。
— ええ? ご主人だけでなく、グラフィックデザインやWebサイトづくりもできるんですか!? 何者……(事前アンケート見直す)
あ、そこに書いてない経歴がいくつか(笑)ドレスづくりを仕事としていた母の影響で、小さいころからミシンを使うのが日常になっていたんですが、高校入学と共にオーストラリアに一家で移住することになって。数年後に帰国したのち、趣味として自分で作ったものをオンラインショップで販売する一方で、繊維製品品質管理士の勉強をしたり、仕事では店舗販売やショッピングモールの※VMD、スポーツ店で商品管理システムの構築などなど……。独学と実地でゼロから積み重ねて、すっかりExcelマスターに(笑) でもやっぱり、「仕事としてモノづくりやりたい!」 と、縫製の学校で洋裁を学んで前職についた感じです。
※ビジュアル・マーチャンダイジング:売り場や販売チャンネルにおける演出や装飾の最適化、それに関係した幅広い活動
— ちょっと、ちょっと待って情報量が多くてついていけない、どんだけマルチ!? あの、ご自身につけるキャッチコピーとして「丁寧な暮らしのコンシェルジュ」というから、ゆるふわ系の方かと想像してたんですが全然……。
自分でも、マグロみたいに止まったら死ぬ、回遊魚なんじゃないかと思いはしました……(笑)色々な経歴を経て、ものを作るだけでなく販売、商品管理、広報・PRといったところまで一通りできるようになったのは、結果的にすごく強みになっているかなと。
— やっぱり、止まる暇ない……すみません、回遊魚推しでいきます(笑) 今後の目標はいかがですか。
いやでも、最近は新たに趣味として「苔リウム」なんか始めたり、休日に主人と愛犬とドライブして自然を楽しんだりと心がけるようにはしてるんです、日々ゆとりのある丁寧な暮らしを……(笑) マルシェについては、隔月で開催して定着させること、ごめん・よってこ広場内に「みんなのものづくりアトリエtete」をオープンさせたので、そこをものづくりの拠点として認知させること。今は主にソーイングスペースとして無料貸し出ししていますし、教えたりも可能です!それから、ここでのワークショップを開いてくれる作家さんを募るため、イベントを交流の場にしていくというのもマルシェの目的の一つ。今は私ともう一名の協力隊員が講師となって、週末に小物や洋服などのワークショップをしているんですけど、2人でできることには限りがあるので。
— たくましい!! 良い意味でとても貪欲。最後に、移住や協力隊を考える方にメッセージをお願いします。
着任してからの半年はもうあっという間で、協力隊の任期の3年間も、きっと一瞬だろうなと。だから私は、常に何ができるか・すべきかという選択肢をたくさん考え、動いてその可能性を試すようにしています。協力隊に応募する経緯は人それぞれなはずですが、そうした可能性はできるだけ多く持って来られると良いんじゃないかと思います。
なかざわ惣菜店
ごめん・よってこ広場から歩いてすぐのところにあるお惣菜屋さんで、並々ならぬこだわりと愛をもって日替わりのメニューを仕込んでくれている女将さんには、いつもお世話になっています。週に一度、よってこ広場で地域の方の交流の場としてランチ会を開いているのですが、あれこれと選んでお弁当にしてもらい持っていくのが定番になっています。
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