吉田健一さん
富山県出身。2018年2月、四万十町の地域おこし協力隊に着任。
特技の大道芸のパフォーマーとして活動しながら、松葉川地域のにぎわいづくりに取り組む。
—改めて、ご結婚おめでとうございます! 四万十町出身の奥さまとは、大学の同級生なんですよね。
ありがとうございます。大学進学で富山から高知へ来て、その時からの付き合いです。僕は就職先が愛媛だったので遠距離でしたが、10年目で婚約して、翌年結婚しました。
—うーん純愛!! 以前から、四万十町へはよくいらしてました?
妻の実家もありますし、3~4か月に1度くらいのペースですかね。温泉好きなので、今の活動拠点である松葉川温泉にも時々行っていました。
—すでに馴染みがあった土地へ、結婚を機に移住と。とはいえ前職は、製紙メーカーの総合職だったんですよね。転職の選択肢として、「協力隊」はもともと考えていたんですか。
制度自体は、着任する1年ほど前に知りました。大学の時から趣味で大道芸をやっていたんですが、たまたまお手伝いしたサーカスイベントで香川県高松の協力隊に会って、話を聞いたのがきっかけです。四万十町の募集をのぞいてみたら、ちょうど松葉川温泉のミッションが出ていて「ぴったりじゃん!」と。
—タイミングが良いラッキーボーイ! 今は大道芸の特技を生かして、担当地域でパフォーマンスしたり、県内外のイベントに出演したりと活躍中とお聞きしましたが。
「松葉川健一」という芸名でやらせてもらっています。おかげさまで、町内では“大道芸の人”として覚えてくださる方も増えて、スーパーで「見たよ!」と声をかけてもらったり、温泉のサウナで「松葉川くんでしょ?」と裸の時に言われたりします(笑) 地元の小学校の校長先生とも話が弾んだこともあって、サウナって地域のコミュニティスペースみたいな機能があるんじゃないかと思いますね。
—おお、さすが、温泉の観光振興担当! 早くも地域に愛されていて、何か悩みがあっても周りの人が助けてくれそう。
今のところ特に困ったこととか、やらかしたっていうのはないかなあ。田舎暮らしに対しては、良くも悪くもこれといったイメージを持っていなかったのでギャップに苦しむこともないですし、働くことにしても前職のサラリーマンとは全然別物としてやっています。地域に入ってみて、実際の暮らしや住民の方とのやりとりを通じて自分のやりたいこと、できることを探っている状態です。
—あえて、それまでのキャリアにはこだわらない、というのもありだということですね。
卒業後に起業した先輩隊員から学ぶことも多いですね。地域内でも、本業とは別に趣味が高じて色々な副業をしている人も多くて、木工博物館を建てることを人生の目標にしてるおじさんとか、地域の人のバイタリティは本当にすごい(笑)。近々、地域の方が紹介してくださった松葉川温泉の近くの家に引っ越す予定なんですが、それも製材所のおじいちゃんが趣味でコツコツ作ったもので。まさかの新築なんです。
—えー、羨ましい! 私が一時期住んでた家なんて、漫画みたいに雨漏りしたぐらいなのに! やっぱりラッキー、というのもあるけれど、地域で本当に信頼を得ているんですね。
暮らしで慣れないところをしいて挙げるとしたら、若い人でも年配の人でも「○○くん」と君付けで呼び合う習慣があるみたいで、それにはまだ戸惑いますね。初対面でも時々、「△△くんって呼んで!」と自分から言う人もいて、さすがに親ぐらい年齢が離れているパターンだと遠慮しちゃいます(笑)
—確かに、「●●(地域)の××くん」とかもよく聞く! やっぱり、人と人との距離が近いですよね。
サウナ含め、地域で話を聞くところから色んな事情とか、住民の方のニーズとかって拾えますよね。松葉川では、ヒトと情報が集まる場所が欲しいという声をよく聞くので、将来的にはアウトドアインストラクターなどをやりながら宿泊施設とかできたら良いなと思ってます。
—可能性がいっぱいだ。ところで、事前にお願いしていた「自分のキャッチコピー」なんですけど……
これちゃんと考えてる人、他にいました!? 「大道芸人」ぐらいしか……コピーというかただの肩書か。あとは、根暗とか(笑)?
—良さげなの、頑張って考えます(笑)
「ぎっちり」
意味:①頻繁に。しょっちゅう。ひっきりなしに。②しっかりと。確実に。
例:おまん、最近あこの店にぎっちり通いゆうね。可愛い子でもおるが?
訳:おまえ、最近あそこの店にしょっちゅう通い詰めてるな。可愛い子でもいるの?
吉田さんコメント:標準語だと、入れ物に隙間なく「詰まってる」ぐらいの意味でしか使わないと思うので、しょっちゅう耳にするとちょっと不思議な感じがしますね。
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HP:四万十町地域おこし協力隊